妊活でみえた!駐在妻が抱える隠れた社会問題?Vol.2
こんにちは!
ドイツでマタニティライフを送るぱるるです。
今回は、私が妊活を通して感じた【駐在妻が抱える隠れた社会問題】をテーマに書いてみます。
駐在妻の皆様には共感してもらえることも多いのではないでしょうか?
ただでさえ、海外生活は感情の共有機会が少ない。
感情を共有して得られる「安心感」や「ストレス解消」って日々を生きる上でとても大切なエッセンスだと思うのですが、数値化しにくいので意外と軽視されがち。
いつの間にか心が削られていって調子が狂うことも。
このコラムを読んでくださる方が「わかるぅ!」「へぇ〜?」と少しでも心が身軽になってくれれば嬉しいです。
さて、本題です!
社会問題①駐在員に育休はない?
帯同で来ている奥様同士の会話で聞くことが多いのが「夫、めっちゃ働いてる」
(※会社や人による)
「毎晩、23時頃に帰ってくる」
「日本からの急な出張者対応で帰りが遅い」
「出張で週末も仕事」
と日本にいる時よりも働いてるご家庭が多いそう。
駐在先の労働環境があまり良くないこともあり、「駐在の内示を断る」という知人も増えてきました。
我が家の夫に関しては、9時から19時半の勤務時間。日本の感覚でいうとそこまで遅くない印象です。
(17時には定時退社するドイツ人の皆さんと比べると遅いですが..)
そもそも駐在員は、会社から派遣させている人数が必要最低限のため、1人当たりの負担が大きくなるという理屈は理解できます。
海外駐在のおかげで、国際感覚の醸成・スキルアップ等、ビジネス戦闘力が高められているので勤務時間が長くとも頑張って欲しいし、サポートもしたいと思います。
(体調やメンタルを崩さないレベルで)
勤務時間が長いのも妻として頭が痛くなる問題ですが、男性も育児休暇を取ることが珍しくなくなった昨今。
駐在員には産休・育休の制度が適用されないことが多いそう。
我が家の夫も、5日だけ休暇をもらえることになっています。
つまり、その1週間を終えたら慣れない海外でワンオペ生活が始まるということ。
残念ながら、母がドイツに来てサポートしてもらうことができず、夫も育休もホームオフィスもできず..。
ドイツには、産後、助産師を意味するHebamme(へバメ)さんが自宅に来てママと赤ちゃんのケアを手伝ってくれる頼もしい制度があります。
保険も適用され、訪問頻度も高く身体的にも精神的にもサポートしてくれるそう。
それでも、24時間サポートしてくれるわけではないので、近所の公園で子供たちが楽しそうに遊んでいる光景を眺めては「鬱になる自信しかない」と絶望を感じました。
出産予定日は、ドイツでは氷点下を迎える1月。
せめても、夫が1ヶ月くらいはお家にいて欲しいところ。
なかなか実現するのは難しいかと思いますが、海外駐在員の育児休暇制度が整って欲しいと切に願います。
余談ですが、この件についてスレッズで書き込んでみたら5.8万回インプレッション、いいね・返信もたくさん頂きました。
頂いた返信の中で様々な国の駐在員の実情が垣間見え、とても面白かったです。興味がある方はリンク先に飛んでもらえたらと思います。
が..一部こんな返信も頂いたのでこの場を借りて訂正させて頂きます。
『クソほどお金もらってるからどうにでもなるでしょ』
😇😇😇😇😇💢
\クソほどお金もらってないわ!/
個人の主観になってしまうので『クソほどもらってるか』は人によりますが、個人的にはいうほどお金もらえてないです。
円安・インフレの影響もあり、ヨーロッパでは物価がかなり高い。
スターバックスラテは約900円、卵も1パック約500円、そんな世界線で生活している。
普段の生活にかかる費用を日本円に換算したら、毎回白目です。
その他、諸々理由はありますが、夫婦共働きが主流になった今、海外駐在は悪くないけど渋い!
令和の駐在員の懐事情は、そこまでよろしくありません..!
社会問題②任期が決まってない駐在生活
内示当初、3年〜5年と言われていたドイツ転勤。しかしこの期間はあくまで目安にすぎず、同じように言われ2年で本帰国する人もいれば、7年いる方もいます。
急に日本へ本帰国するかもしれない。本帰国したら、夫の海外在住手当という魔法が解け、収入が下がります。私も再就職と色々と忙しい。
これがあって、妊活する覚悟がなかなか決まらず3ヶ月くらい足踏みしてしまいました。
ちょうど夫の会社の組織編成の時期である4月に海外生活がまだ長引きそうだぞ、という雰囲気を察知し、「今しかない!」と本格的に挑みました。
しかしいざめでたく妊娠したら、その話は白紙に戻り、意気消沈。
こういったキッカケがない限り、いつまで経っても覚悟は決められなかったと思うので、結果的にはありがたかったです。
駐在妻のお友達に聞いても「1ヶ月前に辞令を受けて本帰国になった」「5年いるはずで家具を購入したけど2年で本帰国になった」など、任期が決まっておらず苦労されているご家庭のお話を多く聞きました。
お子さんがいると、この悩みはより深刻だと思います。
国内の東京から大阪への引越しも住み慣れた場所から別の文化の街に住む、というだけで精神的にも体力的にも負担に感じるのに、海外は言語もわからない・生活ルールも異なる・食文化も違う・仲のいい友人とは時差でコミュニケーション取りづらい!
異世界転生したかのようなカルチャーショックを受ける中、ゴール(終わり)が見えない苦しみと戦うのも辛いですよね。
自分でハンドルを握れていない人生。
情けなさと、悔しさを感じる日もありました。
そんな思いを打ち消すためにSNSに熱中したり、帰国後を考えて転職活動をしてみたり。
どんなに行動しても「終わりがいつわからなく計画が立てにくい」そのモヤモヤが消えない日々が続きました。
そこで自分の中で「仮の締切」を設定することにしてみました。
私が設定した締切は「1年したら1人だけでも本帰国する」ということ。
実際に「帰る・帰らない」は、その時になって決めれば良い。
すると、あら不思議。
普段、モヤモヤっとしていた「こうなったらいいな」という未来が、急に現実味をおびて「やらなくてはいけないこと」のタスクに変化しました。
芸人であり実業家でもあるキングコングの西野亮廣さんも「やる気」という幻想と、「締切」というガソリンというテーマで音声配信プラットフォームVoicyというでお話しされてました。(以前は無料だったけど、今は有料になっちゃって恐縮です…)
このVoicyの中で、多角的に色々な事業している西野さんでさえも「締切がないと全然動けないだらしない自分に気づいた」と生々しく語られています。
というのも、この時期に出版予定だった「夢と金」という本の原稿を出版社さんと約束していたにも関わらず、3年半も書かずに放置していたそうなんです。
さすがに申し訳ないと感じて編集者さんと相談し、まだ一文字も書けていない原稿を書く前の本をAmazonで発売を始めたそう。業界的には前代未聞の締切を無理やり作ることで、馬車馬のように原稿を書き上げたそうです。
モチベーションお化けみたいな西野さんでさえも、締切がないと動けないそう。私のような凡人がいかに自分の人生に「締切」を作ることが大切だと思い知ることができる内容でした。
もし、任期が決まっていないことで悩まれている方がいたら、仮のゴール(終わり)を自分で設定してみることをおすすめします。
未曾有のこの時代、会社としても任期が決められないのも納得できます。
だからこそ自分でコントロールできない領域に悩まされたってしょうがない。
自分のコントロールのできる範囲で締切を立て、1日1日生きていく。
これが任期の決まってない駐在生活を前向きに生きていく上でとても大切だと思います。
終わりに
今回紹介した「駐在妻が抱える隠れた社会問題」は死人が出るわけではないし、世の中的に駐在員の数も多くないので残念ながら当分解決することはないと思います。
そして、私にとっては苦悩したことですが、Theredsで<クソほどお金もらってるからどうにかなるでしょ>と言われてしまったように【駐在妻の戯言】とも捉えられてしまい、理解してもらえないこともしばしば。
そしてそして、冒頭にも書きましたが、共感してもらえる機会が圧倒的に減る海外生活。
だからこそ、声に出して記しておこうと思いました。
ひとりでも「わかるぅ!」と思ってくれる人がいてくれて、心の隙間に寄り添えれば嬉しいです。
以上!
次回は、ハッピースマイリーマーク?ドイツの妊活準備編vol3.です。
どうぞお楽しみに!