Vol.1 ウェルビーイングXお茶瞑想ボックス

 

読者の皆さま、こんにちは!ドイツ在住もうすぐ20年、ほぼ在宅フリーランスの高橋萌です。

「ヨーロッパの最先端事例は?」

「Z世代のライフスタイルの変化は?」

「〇〇業界のトレンドをリサーチせよ!」

と、様々なお題(ご依頼)に応えるべくマーケットの動向に目を光らせている筆者が、

「これは日本でも応用できそう!?」

「日本人の琴線にも触れそうなコンセプト!!」

「これは今、私が欲しい……」

と感じる、ドイツおよびヨーロッパのトレンドやライフスタイルの変化についてご紹介していきたいと思います。

 

トレンドを求め、西へ東へ三千里

「三千里」は、約1万2000kmの距離になるそうです。

日本とドイツは直線距離で約1万kmですから、トレンドを求めて日本からヨーロッパへ、さらに世界へと向けられる熱視線は三千里をかるく飛び越えていきます。

いかに人間の願いや欲望の源泉を掴むことができるかが、ビジネスの成功を左右するのですから、「温泉を掘り当てろ!」とばかりに躍起になり、「こっちにお湯が出たぞ〜!」「こっちの水は甘いぞ〜!」とお客さんを高速で手招きするのは、商売人の基本姿勢ですね。

一つ一つのトレンドが支持される背景には消費者の内なる願いや燻っている不満があり、市場が発信する商品やサービスの中から何を受け入れ、何を受け入れないかは、「じゃぁ、自分はどう生きたいのか?」という問いに似ているように感じるのです。だからこそ、たかがトレンド、されどトレンド。時代を見つめることで、私自身の選択肢の幅が広がったり、心が軽くなったりするのです。




コロナ後の世界の最強キーワード「ウェルビーイング」

ここまで読んでくださった皆さんは、海外で暮らしている、または海外の情報に関心のある方が多いと思います。つまり、いつでもどこでも自分らしく、自分と大切な人にとっての幸せを求めているはず。そして、「幸福」に想いを馳せたとき、この時代を生きる私達がこの数年で心の底から実感したことは、「心身の健康が第一」であるということですよね。

感染症や自然災害の猛威を目の当たりにし、世界情勢の悪化や不況の中でもがきながら、それでも、半径1メートルの平穏をどう死守するかに苦心する中で、もっと多く、もっと強く、もっと速く!と経済的豊かさを追い求める価値観からの、幸福な脱落を目指す動きも出てきました。

そういった消費者の気分を受け、世界的な「ウェルビーイング」関連商品のトレンドの流れがあるわけですが、その全世界における市場規模(ITヘルス&ウェルビーイング)は2024年には580億ドル(約8兆3000億円)に達する※と予想されています。

※出典:https://de.statista.com/outlook/hmo/digital-health/digital-fitness-well-being/weltweit?currency=USD

 

ドイツに拠点を移したばかりの頃は、個人主義的な考え方を持つヨーロッパ大陸の人達は、言いたいことをズバッと言っても後腐れなく、サービス残業もビシッと断れて、なんてストレス・フリーな生き方をしているんだ!と思ったものです。でも、ドイツの会社で働いたり、子育て世代の友人と悩みを打ち明け合ったりするうちに、どんな社会で生きるのにもプレッシャーがあり、それぞれ違った種類の悩みや不安を抱えていることがわかってきました。

健康に意識を向けた友人たちが、日本の食や文化に再注目してくれることも少なくありません。「ウェルビーイング」、つまり自分にとっての良い状態は何かを求めることは、「足るを知る」という仏教的な生き方にも通じるものがあります。




注目のプロダクト!

近年、ドイツ発の瞑想アプリ「7Mind」(www.7mind.de)のグローバルな成功や、VRで深い瞑想体験を得られる「5-Minuten-Urlaub」(https://workbreak.co)など、瞑想による自己ケアをサポートする商品が注目されています。

その中で、日本からも展開できそうなビジネスモデルだなと感じたのがこちら。

お茶X瞑想Xアプリ

MIND VACATIONSの「お茶瞑想ボックス」

画像出典:https://www.mind.vacations/

「MIND VACATIONS」は、お茶と瞑想用アプリがセットになった商品(10回分で24€)。自分のために丁寧にお茶を用意して、香りと味を楽しむ、その10分間で深い瞑想に誘うガイドの声や音楽がアプリから流れます。

たったの10分間、しかもお茶を飲むという日常の行為ですから、肩肘張らず気軽に始められます。それに自分自身に集中することで得られるリラックス効果は想像以上。

こちらは、中国茶をベースにした商品ですが、ヨーロッパで人気の高まっている緑茶など日本のお茶を取り揃えた、飲む瞑想体験を日本から世界に発信してもいいですよね。

 
高橋萌(たかはし めぐみ)

2003年〜2004年ミュンスター大学法学部に新潟大学からの交換留学生として在籍。

2007年〜2008年ドイツ国際平和村で研修。

2008年〜2017年ドイツニュースダイジェスト編集者のち編集長。

2018年〜独立。編集者・ライター、通訳・翻訳、リサーチ、イベントや撮影のコーディネートなど日本とドイツの

間に立ってそれぞれの想いを繋ぐことを使命として幅広い分野で活動中。ジャンルは、法制度比較から市場

調査、サッカー・ブンデスリーガ取材、最新のトレンドまで、硬軟併せ持つスタイルでやらせていただいており

ます。

https://www.linkedin.com/in/megumi-tanahashi-7b5a2b196/

https://i-mim.de/
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